「売店のスポニチをすべて買い占めました」

小林は初めて会った時から、亡くなった後の現在でも高倉健をリスペクトしている。

「普通のスターさんはひとつの波で終わるものでしょう。一つの時代は作るけれど、次の時代には終わってしまう存在ですよ。しかし、健さんは大きな波を3つも持っている。デビューした頃は青春スターで、その次はやくざもので、その後が『八甲田山』と『幸福の黄色いハンカチ』……。ずっと主役を張っていたのはあの方くらいです。それにしても『八甲田山』。あの時の顔は今もまぶたに焼き付いている。僕は『八甲田山』の時の顔が好きです。歯をくいしばってるような、なんとも言いようのない、素敵な顔でした。結果的には大ヒット映画になったのですが、上映前は『まるで教育映画みたいだ』と不評だったんです。なのに健さんは3年もあの映画だけに絞ってやっていた」

小林稔侍は「自分が発掘されたのは『冬の華』と『夜叉』」と言っている。