②「わたしはわたし、大丈夫」と言い聞かせる

感情を明るく保ついちばん簡単な技術は、胸を張ることです。文字通り、姿勢の問題として「胸を張る」。これだってけっこう大事です。

それから心の問題として「胸を張る」。つまり自分に自信を持つことです。といっても仕事の能力とか、結果に対する自信ではありません。それはそれで大事ですが、もっと基本的な自信のことです。

朗らかな人の考え方に、調子が悪いとき、あるいは何か失敗をしたときに、「大丈夫だモン」ととらえる、という方法があります。

「こんなのよくあることだ。でもいつだって、ちゃんと立ち直ってきたもの」

そう考えると、失敗や不調をいつまでも気にかけないで明日に目を向けることができます。済んだことや今の不調を気にするのは、内向きになって自分のイヤな感情を見つめることですから、いいことはひとつもありません。

「困った人」のイヤな言動に触れたときには、「わたしはわたし、大丈夫!」つぶやいて胸を張ってみましょう。これは、自分の感情のコンディションを整えるために有効な言葉なのです。

③「それもそうだね」と一呼吸置いてみよう

あなたがリラックスしてつき合える人は、いろんな話をしてくれるし、時には自分の意見もはっきり口にするでしょう。あなたも、その人の意見にいつも賛成するわけではなく、「わたしは違うと思うな」と反論することもあるでしょう。

でも、2人とも自分の意見に固執せず、「それもそうだね」とか「なるほどなあ」と柔らかい受け止め方をするのではないでしょうか。お互いに「そういう考え方もあるね」と思い、とりあえずウヤムヤなままに終わらせて、人間関係上は困ることはありません。

じつは自分の優位性にこだわる人というのは、この“ウヤムヤ”というのが苦手なのです。はっきり白黒の決着をつけたがります。

もちろん黒(負け)はイヤですから、白(勝ち)にこだわります。ここで押し合いへし合いが始まるのです。

ところが「それもそうだね」と言われると、押し合いは始まりません。言われたほうは自分の意見をとりあえず聞いてもらえたので、ひとまず満足するからです。

「それもそうだね」というのは、どんな場面でも使える言葉です。嫌いな相手が何を言おうが、「それもそうだね」。今日からぜひ使ってみてください。