④「引く」ことは簡単、少しも疲れない

押されれば押し返すのが感情の法則のようなものですから、その逆に、引かれれば引いてしまうのもまた、感情の法則です。

気の合わない相手でも、あっさり「ゴメン」と言われれば「そんな謝るようなことじゃないよ」と受けるのが、わたしたち人間です。

自分の意見を強く主張してくる相手だって、「それもそうだね」とか「なるほどなあ」といった簡単な相槌あいづちを打ってもらえれば、あえてその意見にこだわる気持ちはなくなります。少なくとも、頭ごなしに反対されるより対抗心はなくなるでしょう。

押したり押し返したりは疲れますが、相手を許容して自分をすっと引いてしまえば、それで相手も押さなくなるのですから楽なのです。しかも疲れません。

それに、結果は同じなのです。

押し合いになっても決着がつくことはないでしょう。お互い自分の意見に固執して聞く耳を持たないのですから、引き分けです。腹立たしさだけが残って、結局、何の進展もありません。

お互いにすっと引けば、これも引き分けです。でも腹立たしさは残りませんから、押し合いよりはるかに“まし”ということです。

ブランコに乗っている子供
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⑤話にならない人は放っておく

時に、相手のわがままのために、つい感情的になってしまうことがあることでしょう。

あなたにしてみれば、「なぜ、こんな当たり前のことがわからないんだろう」と思い、「何言ってんだ!」と怒りたくなることもあることでしょう。当たり前のことすらわからない人が、なぜこんなに威張っていられるんだろうと考えてしまいます。

たしかに、わたしたちの周りには話にならない人がいます。

でも、そういう人間に振り回されない人もたくさんいます。むしろ大部分の人は、まともに取り合わず、気にもかけないのです。

「話にならない人」は、ごく一部の人間にすぎませんし、たとえ怒ったとしても状況は変わりません。

ですから、腹を立てても意味がないのです。放っておくしかありません。