もちろん相手の立場になってものを考えるとか、いろいろ工夫してみることはできますが、原則的には相手の気持ちはわからない。相手が何を考えているのか正確にはわからない。そういうものなのです。

ですから、相手の心の中を勝手に決めつけて悩んでもしようがないのです。相手の気持ちはわからない、という開き直りをぜひおすすめします。

②「相手の気持ちは変えられない」

2つ目は、「自分の気持ちは変えられても、相手の気持ちは変えられない」ということです。

心理学者のアルフレッド・アドラーは、「すべての悩みは対人関係の悩みである」としたうえで、人間関係を円滑にするためには「課題の分離」が大事だと言っています。人間関係でトラブルが起きたとき、それは自分の課題なのか、相手の課題なのかを分けて考え、相手の課題に踏み込まないことが大切であると説明しています。

手でバツを作る人
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相手の気持ちは変えられると思って、四苦八苦している人が多いと思います。

相手に好意を持ってもらうためにいろいろと努力することは自分の課題ですからいいのですが、それに対して相手がどう思うかというのは相手の課題なのです。

ですから、こちらが努力したからといって、相手が変わると期待してはいけません。こちらの努力をどう受け止めるかは、相手に任せるしかないのです。

理性より感情のほうが強く働く

わたしは「人間関係は感情関係」ととらえています。

たとえば相手の言葉に理屈ではどんなに納得できても、それが嫌いな人間の言葉なら反発します。ひどいときは話を聞く前から「こんなやつの言うことなんか」という気持ちになってしまいます。