「常時オンライン」によるデジタル疲労

さらに見逃せないのが「常時オンライン」によるデジタル疲労です。PCやスマートフォンを手放せない働き方が常態化する中で、視覚や姿勢への負担だけでなく、情報処理の過剰による「脳の疲れ」も深刻化しています。最近の研究では、1日の中での「過度なデジタル接触」が精神的・身体的疲労を高め、生産性の低下や心身の不調につながる可能性があることが示唆されています(Supriyadi et al., 2025)。

ラップトップでタイピングするチャットのイメージ
写真=iStock.com/oatawa
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また、「働き過ぎ」によって疲労を感じることは自明のことですが、国内の大規模解析でもその傾向が裏付けられています。この調査では、通常の労働時間(月140~180時間)と比較して、月205時間以上の就業では疲労感や活力の低下が有意に増加し、長時間労働群ではイライラや抑うつ、疲労の訴えが非長時間労働群に比べて3倍以上多かったと報告されています(Ochiai et al., 2023)。