趙丹が入浴しようとした際に、脱衣所のコンセントに挿されっぱなしになっていたUSB充電器が、実は小型のレンズを持つ盗撮カメラであることに気付いたのだ。孫麗によれば、この充電器型盗撮カメラは「少なくとも1年ほど前から」同じ場所にあり、脱衣場の盗撮が継続的におこなわれてきたとみられた。

あり得ない対応

カメラは動画データをSDカードに記録するタイプだった。盗撮者が動画を見るためには、定期的にSDカードを取り出し、パソコンなどを使ってデータを吸い出す必要がある。外部者の立ち入りが頻繁にあるとは思えない企業の従業員寮の浴室から、撮影データを頻繁に回収できる立場の人間の数は限られている。普通に考えれば、ひとつ屋根の下で若い中国人女性たちと一緒に暮らす日本人の50代男性たちの「3人のうち誰かが設置したと考えるのが妥当」な話だった。

しかし翌朝、盗撮被害を訴えた孫麗と趙丹たちに対して、艶金の日本人上司は「仕事と生活を分けろ」と主張して業務を続けるよう指示し、まともに対応する姿勢をほとんど示さなかった。そこで彼女らは監理団体であるGネット協同組合に相談したが、組合側の中国語通訳は「あなたたちが通報しても警察は来ない」と、同じく事態の火消しを図ってきた(ただし、私の電話取材に対してGネット協同組合はこのやりとりの存在を否定している)。