資質やお人柄の問題ではない
あらかじめ誤解がないように断っておくと、注目があつまっている皇位継承問題は、個別の皇族の資質やお人柄とは直接かかわらない。あくまでも今の皇位継承ルール、皇位継承制度が抱えている「構造的な欠陥」をいかに是正するかこそが、焦点だ。
その構造的な欠陥とは何か。正妻以外の女性(側室)のお子さまによる皇位継承の可能性がとっくに排除されている。なのに、晩婚化・少子化も進む状況の中で、皇位継承資格を「男系男子」だけに限定する明治以来の“狭い縛り”を、うっかりそのまま維持している。その致命的なミスマッチにほかならない。
このミスマッチを解消すれば、「直系優先」の原則によって次の天皇はおのずと敬宮殿下に確定する。こういう筋道だ。
国民の側から、個別の皇族方の優劣を論評するような、非礼・僭越な話ではない。
その直系優先の大切さを、あらためて具体的に確認する上で、天皇ご一家と秋篠宮家のこれまで教育方針の違いに目を向けておくことは、決してムダではないだろう。
愛子さま、国民の祝福の中でのご誕生
まず、天皇ご一家に目を向けよう。
敬宮殿下のご誕生は平成13年(2001年)12月1日。この時は、直系の皇孫のお誕生をお祝いして、祝賀の記帳が行われた。宮内庁関係で12万人、全国の自治体で65万人、合計77万人もの国民が記帳したという。
翌年の天皇陛下(当時は皇太子)のお誕生日に際しての記者会見では、記者から「敬宮様(この頃、記者は「愛子さま」でなくご称号でお呼びしていた)誕生に際し、2日間で(宮内庁関係の)12万人もの記帳者が訪れたことをどのように受け止められたでしょうか」という質問が投げかけられていた。
これに対するお答えは次の通り。
敬宮殿下は、このように多くの国民からの祝福の中でお生まれになった(記帳者は氷山の一角だろう)。それに対して、陛下は「立派に育てることの責任を感じています」と、あらためてご養育への強い責任感を述べられた。