ドル建てのゴールド価格は下がっても円建てでは上がることも

2025年の株式市場については「投資の神様も実践…エミン・ユルマズ『1年半後の日経平均5万円』をにらんで“割安銘柄”を仕込むワザ」の記事で言及しました。もう1つ、投資家の関心が高い投資先といえばゴールドです。

今年のゴールドの価格はどうなるでしょうか。地政学リスクによって上昇余地はあるとは思いますが、その幅は限られてくるでしょう。現在、1オンス=2600ドル程度ですから、アップサイドは2800ドル程度まで可能性があります。

ゴールドの価格にも米国の金利が大きく影響します。昨年は米国のCPI(消費者物価指数)が低下傾向にありました。インフレ率が下がると、それほど金利を高く維持する必要はなくなります。

金利が高ければ投資マネーは米ドル預金に流れますが、金利が下がったため、ゴールドの価格を下支えしました。結果、1年間で昨年は40%近く上がりました。ところが最近はCPIが再び上がってきているため、ゴールドの価格も上昇が止まっています。

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金利政策がゴールド価格に影響

ゴールド価格にも米国の金融政策が大きく影響するわけですが、今後の利下げについて市場はどう見ているでしょうか。

FOMCメンバーによる利下げ見通しは、昨年の9月時点で「今年(2025年)の利下げは4回」と予想する声が多かったのですが、昨年12月時点では据え置きと考える人が約17%になりました。そして、0.25%の利下げと考える人は約36%でした。

つまり、50%以上が今年は1回の利下げがあるかないか程度だとみています。

利下げがなければ、米国金利は高い状況が続きます。とすれば、米国債やアメリカの預金のほうが魅力的になるので、金の価格にとってはマイナスに影響します。米国の金融政策で明確に利下げ方向が示されるまでは、ゴールド価格にとってはマイナスの状況が続くでしょう。