カートリッジは「3カ月で交換」なら2カ月に
どのような浄水器を使う場合でも最も大切なのは小まめなカートリッジの交換などのメンテナンスです。水に溶けやすいPFASを除去しようとすると、他の物質より浄水器の性能も落ちやすく、効果がなくなるのが早くなりがちです。
多くの活性炭のカートリッジだと、1日2Lの水を使うなら、カートリッジは3~5カ月で交換するように推奨されています。
メーカーサイドで「3カ月で交換」と書かれているものでしたら、1カ月早めた2カ月ぐらいで交換することをおすすめします。これは他の有機物に比べて、PFASは取れにくいという性質のためです。
「長持ち」をうたう商品もあるが…
浄水器のPFAS除去性能を示している製品もあります。その中には、かなりの水を通水したあとでも除去性能が高いとうたっているものもあります。
しかし、性能を試験している条件として、「他の不純物をあらかじめ除去した『きれいな水』にPFASを加えて」いるというものが多いです。
PFASしかない場合には除去性能が高く、長持ちするということは間違いではないと思います。しかし、実際の水道水には様々の成分が含まれるために、表示されているほどの性能があるとは限りませんし、効果がなくなるまでに期間が短くなることもありえます。そのため、表示されている除去性能が高くても、早めに交換することが効果的にもなります。
基本的には飲み水や料理に使う水に、浄水器を使えば、水からの摂取を減らすことには十分と考えられます。
シャワーや風呂で仮に身体の外側にPFASがついても、すぐにタオルなどで拭き取ることとなるので、除くことができます。肌を通して入る割合は少ないため、神経質になる必要はありません。
あくまでも対症療法でしかない
小まめなカートリッジの交換は長い目でみると、家計の負担となってきます。水道水の濃度が高い場合にPFASから身を守れるということから選択肢となりますが、やはり大本の浄水場での対策を行政などに要望することが重要と考えます。
市内の地下水を使用した水道水が国の目標値を超した岐阜県各務原市では、対象区域内の小中高校、特別支援校の蛇口に浄水器を設置しました。濃度が66ng/Lだった小学校では5ng/L未満に下がったようです。
同じように、東京多摩地域の府中市と小金井市にキャンパスを構える東京農工大学では、地下水の専用水道は使い続けながら、飲み水用には浄水器を取りつけています。