「大河ドラマの主人公」が活躍した時代
宝暦以降の吉原遊廓は、元吉原以来から続いた伝統やシステムが一変した時代である。1750(寛延3)年に生まれた蔦屋重三郎は、吉原の転換が進んだ宝暦期にはまだ幼少である。まさに転換期の吉原に生まれ育った。
吉原遊廓の衰退と転換の一因は、岡場所や品川・内藤新宿などの宿場の女郎屋が台頭してきたことにある。吉原よりも安価で遊べたのと併せて、岡場所の場合には江戸市中にあったため、通うのにも便利だった。面倒な格式や制度もないため、元禄のバブルがはじけて以降、経済的に退潮ぎみの世にあっては、自然と岡場所に客が流れていった。
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