「どこでもいい」は「考えるのを放棄した」ように見える

要は、常に相手の興味や状況を考慮しながら、相手が何を求めているかを探っているから、直接的な表現ができるのです。逆に言えば、必要のないときには言わないのです。

これはビジネスでもプライベートでもあてはまり、相互理解と良好な関係構築にプラスに働きます。プライベートの例も見ていきましょう。

「夕食はどこでもいいよ……あなたの好きなところで……私は何でも大丈夫だから……」

これは説明下手な人の例ですね。

もちろん、「パスタを食べよう」と相手のことを考えずに押し付けてしまうのは、問題かもしれません。

そのため、相手に遠慮して「どこでもいい」という表現を選んでいるのかと思いますが、人によっては「面倒だから考えるのを放棄した」と不快に思う可能性があります。優しさのつもりが誤解されてしまうのは、話し手にとっても本意ではないでしょう。

相手はこのとき、「あなたが食べたいものは何か」を知りたいはずです。

「イタリアンと和食のどちらが食べたいか」と言えるか

そこで、説明上手な人はこう答えます。

○「イタリアンか和食、どちらを食べたい? 私は今日はどちらかと言うと、パスタが食べたいと思っているんだ。」

相手が知りたい情報である「パスタが食べたい」を明確に伝えた上で、「イタリアンと和食のどちらが食べたいか」を相手に質問して選択させています。

相手が食べたいものを優先するという意味では、説明下手な人と同じですが、このような伝え方なら相手も余計なことを考えずにどの店にするかを決められるのではないでしょうか。

レストランでスパゲッティを食べる女性
写真=iStock.com/whitebalance.oatt
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相手が求めている情報を明確に伝え、双方向のコミュニケーションをとっていくことで、スムーズに決断できるようになり、時間もエネルギーも節約できます。良好な関係構築にもつながるので、ぜひ取り入れたいところです。

説明上手な人は、相手のことを観察をして、相手が求めている正解を導き出す