直感的には受け入れがたい株価の真実

歴史を振り返ると、とてつもなく上昇した翌年は確かにS&P500は平均1.5%下落していた。だが50%上昇した年から3年後の平均リターンは42%、5年後の平均リターンは66%だった。この計算には配当金は含まれていない。

ニコラ・ベルべ著、土方奈美訳『年1時間で億になる投資の正解』(新潮新書)
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「前年の実績をもとに翌年の株式市場の動向を占うのは、考えるよりずっと難しい」とカールソンは述べている。あるいは、コイン投げを何度も繰り返すところを想像してみるといい。

表が出たか裏が出たかをノートに書き留めていくとしよう。何度か連続して裏が出ることもある。ただ裏が続いたからといって、次は“必ず”表が出ると決まったわけではない。前回の結果は、次のコイン投げの結果に何の影響も及ぼさない。コインを投げたとき、表が出る確率は50%、裏が出る確率も50%だ。

株式市場の場合、確率は投資家にとって有利だ。すでに述べたとおり、北米の株式市場の歴史を振り返ると、10年中7年は上昇している。この教訓は直感的には受け入れがたいが、相場がピークに達しているからと言って投資を手控えるべきではない。

下落はいずれ必ず起こる。だがそのタイミングと幅を確実に予測しつづけるのは不可能だ。

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