違う話題の声かけをする
【ひとし】へえ。ズバリどうやって変えるの?
【はるか】ガラッと明るいトーンで、全く違う話題で声をかけるんです。たとえば「おー! ○○くんここにおったんや! ちょっと話したいことがあるけんこっち来て!」とか。
「こっち来て」と場所を変えるところも大事なポイントです。
【ひとし】なるほど。違う話題の声かけをするのが一つと、別の場所に移動させることで、もう一つモードを変えるってこと?
【はるか】そういうこと! 僕はよく外に出たり、お茶とか飲みながら話しました。
さらに話しかける「人」が変わると、もう一段階モードが変わります。
【ひとし】あぁ! ひとし先生に怒られてたところに、はるか先生が声をかけてきたら、ってことか。
【はるか】そうそう。そうやっていくつかモードを変えていくと、だんだん大泣きが収まってきて、ゆっくり話を聞いてくれるようになるんです。実際試してみて、びっくりしました。ほんとに効果があるんです。
いったん落ち着かせてから、気持ちを聞こう
【ひとし】えぇー、そうなんだ。でもそれって、子どもが抱えてたモヤモヤ自体は解決してないよね? なんか子どもの気持ちを無視してるような接し方にも見えるんだけど……。
【はるか】さすがだね! たしかに根本的に子どもの気持ちが晴れたわけじゃないよね。でも、まずはいったん、子どもが落ち着くことが大事なんです。なぜなら、大泣きしてるときは、冷静に話ができる状況じゃないから。
【ひとし】なるほどね、その先がある?
【はるか】そう! 落ち着いたら、そこで初めて「なんか困ったことがあったの?」って話を聞いていく。そんなふうにゆったり心が落ち着いた状態で話すと、子どもの本音ってポロポロ出てくるんですよ。「さっきは図工の工作でうまくいかなくて、イライラして声出しちゃった」とか。そしたら、「話してくれてうれしい、ありがとう」と伝える。あとは「モヤモヤしたんだね」と子どもの気持ちを言葉にして受け止めたり、「そういうときには一回お手洗いに行ったりするのもいいんじゃない?」とか、代わりの行動を提示してあげるのもいいと思います。
【ひとし】素晴らしい!