つきつめて考えれば「空」の世界には「こうしなければならない」という基準はありません。しかし、ノルマに追われ「やらなければ」という思いにとらわれてしまうと、さらにノルマが重くのしかかってきて苦しくなります。

この金縛り状態から解放されるには、原点に戻り「目の前のことを全力でやる」ことです。行き詰まりを感じたときほど、一歩引くよりむしろ一歩前に突っ込んでいく。「やらねば」と持て余していた対象にあえてドカーンとぶつかっていくのです。対象と一体になることで、辛いとか苦しいという思いが消え、新たな道が開ける。つまり「無心」になって取り組むことが停滞期を乗り切るための智慧なのです。

(松田健一、平地 勲=撮影)