勝負をごまかす暇がない遊び

負けが苦手な子は、一緒に遊ぶ大切さに気づく経験が大事ですが、現実的には、幼いうちは、「負けても楽しい」と大人な思考までいくことは難しいものです。

そのため、「負けてもごまかさない」「負けは嫌だが、人に迷惑はかけない」というスキルを身につけるために、「ジャンケン」から始めてみることが大切です。

たとえば、時間のかかるボードゲームなどでは、負ける前に「なんか負けそう」と気づいてしまうので、脱走したり、ボードをひっくり返したりと、怒りを爆発させる余地が生まれます。

しかし、ジャンケンは、手を出した瞬間に勝敗が決定するので、勝負をなかったことにするようなごまかしはできません。

そこで、大人がジャンケンで負けても、「もう一回やろう」など、負けた後に切り替える姿を何度も見せると、子どもは徐々に、「適切な負け方」を覚えてくれるようになります。

ちゃんと謝れば、トラブルの悪化を防げる

発達障害の子どもの中には、衝動性が高い子や、うっかり相手に失礼なことを言ってしまう子がいます。

このような子に、「衝動的に動いちゃダメ!」と教えることも大切ですが、脳の特性ですので、ゼロにすることは難しいものです。

そこで、「今のウソ!」「今、話盛っちゃった!」と、行動の後に謝ったり、訂正したりするフォロースキルを教えておくことも、トラブル予防には効果的です。

特に、フォローの仕方がわからないと、「謝らない/謝れない」という態度を取って、余計に相手と揉めてしまうことがあります。

本人に悪気がないのも事実ですので、すぐに謝ることで、その後のトラブルの悪化を防ぐことができます。

もちろん、謝ることで自己肯定感が低下する子どももいますので、「うっかりミスは誰にでもあるんだよ」と深刻になりすぎないよう伝えることも大切でしょう。