自民党総裁選は12日に告示され、9人の候補者が出そろった。統一教会と関係を持つ候補者はいるのか。ジャーナリストの鈴木エイトさんは「統一教会は『解散命令逃れ』のために政界へのアプローチを続けている。総裁選候補者の中には信者がSNSで推すなど、教団が熱を上げる人物もいる」という――。
すべての関係が明らかになったわけではない
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すべての関係が明らかになったわけではない(※写真はイメージです)

「統一教会との関係」追及を逃れている議員は多い

9月27日に投開票が行われる自民党総裁選は実質的にそのまま次の首相を決める選挙となるが、立候補者の中には「統一教会(旧統一教会/世界平和統一家庭連合。以下「統一教会」とする)」との関係が取り沙汰された議員も複数いることがわかっている。

自民党は2022年8月に、党国会議員に対し、統一教会との関係を調査しているが、ごく簡易的な自己申告制の点検で済ませており、すべての関係が明らかになったわけではなく、「中堅議員に対して教団イベントへの参加を指示していた大物議員」など、いまだに追及を逃れている議員も多い。

それぞれの候補者の統一教会との関係を再検証し、総理総裁として強い姿勢で臨むことができるのかみていこう。

選挙支援に「60億円以上使った」発言も

統一教会が全面的に政界工作に乗り出し、特に自民党への選挙支援を推し進めたのは1986年の衆参同時選挙からとされている。

この選挙では自民党が圧勝したが、文鮮明教祖(2012年死去)は「60億円以上使った」と発言しており、当時は100人以上の「勝共推進議員」がいたとされる。

その後も統一教会は密かに政界工作を続けていたとされる。2017年に日本の統一教会関連団体トップが韓鶴子総裁に「以前、勝共連合の活動が活性化していた時と同じような、その当時は200名を超える議員たちがご父母様(文鮮明・韓鶴子夫妻)にはべっていたのですが、その時と同じような雰囲気になっています」と報告するなど、自民党を中心とする国会議員への「侵食」が進んでいた。