「家裁の父」と呼ばれた多岐川幸四郎のモデル、宇田川潤四郎
ところで、三淵嘉子さんについて「家庭裁判所の母と呼ばれた」と紹介されることがありますが、この呼び方に私はちょっと違和感を抱いています。たしかに、「虎に翼」の多岐川幸四郎(滝藤賢一)のモチーフとなった初代最高裁家庭局長の宇田川潤四郎さんは「家庭裁判所の父」でした。それは宇田川さんが家庭裁判所というシステムそのものを作った人だからです。
一方、嘉子さんは設立に携わってはいるけれど、当時は若手のため、制度設計には携わってはいません。ドラマの寅子が多岐川に振り回されていたように、猛烈な機関車のように突き進む宇田川さんをあたふたしながら手伝っていた立場でした。そう考えると“家裁を作った”という意味の「母」というのはちょっと違うのではないかと思います。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能

