「普通に働け」「税金払え」とネットで批判…大企業を辞めて軽自動車で“車中泊生活”を始めた夫婦YouTuber(30代)が明かす、“周囲からの反応”(「文春オンライン」編集部) 「けんじとあかり」インタビュー #2

40万円で買った軽自動車を“魔改造”して車中泊生活…大企業を辞めた30代の新婚夫婦が“家も年収も捨てて”車で暮らし始めたワケ〉から続く

改造した軽自動車で車中泊しながら、日本一周を達成した30代の夫婦・けんじさんとあかりさん。YouTubeチャンネル「けんじとあかり」で車中泊生活のリアルや日本一周の様子などを発信し、現在は登録者数15万人の人気を誇る。

新卒で大企業に入社したふたりは、職場で出会い、2018年に入籍。その後、会社を辞めて、2021年4月から2022年6月までの約1年間で、日本一周を達成した。

ふたりは軽自動車で車中泊をしながら、どんな生活を送っていたのか。安定した収入と職を捨てて旅をすることに、周囲はどんな反応を示したのか。話を聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く

YouTubeチャンネル「けんじとあかり」を運営するけんじさん(左)とあかりさん(公式YouTubeチャンネルより)

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軽自動車での旅を選択した理由

――日本一周をするための手段はいろいろあると思いますが、なぜ軽自動車で旅をすることにしたのでしょう。

けんじ コロナ禍だから、というのはあります。その頃はまだ、電車や飛行機で日本一周をするのは憚られる状況だったので。

あかり あとは、お金がかからないから、ですね。中古で買ったスバルの「サンバーディアスワゴン・クラシック」の値段が約40万円で、車内のDIY費用が約20万円。大きい車を買っていたら、この何倍もお金がかかっていたと思います。

けんじ それに、日本一周と同時にYouTubeも始めようと決めて。どうやってほかのYouTuberと差別化するか考えたときに、軽バンで日本一周している人があまりいなかったんです。ほかの人がやっていないことをやれば、需要はあるかなと。

――車の選定基準は?

あかり 見た目です。ヘッドライトが丸目で、レトロな感じがかわいいなと。あとは、ほかのYouTuberと被らなそうなのもいいなと思いました。

DIYのこだわりポイント

――軽自動車をDIYするにあたり、こだわったポイントはありますか。

あかり 外装とベッドの寝心地。あとはキャンプをするためのテントを持っていきたかったので、「テントをどう積むか」ですね。

本来なら車中泊にテントは必要ないんですけど、私たちはキャンプを楽しみたかったんです。テント泊しかできないキャンプ場もあるから、テントは必須の荷物だったんですよね。

けんじ テントは車内の上のほうに積めるようにして、ほかの荷物はベッドの下に収納して。あとは内装をシンプルにすることで、できるだけ広く寝られるようにしました。