丸まって眠る人、大の字で眠る人

⑤(a)小さく丸まって深く眠る/骨盤を縮めてゆるめる
(b)「大の字」または片ひざを曲げたうつ伏せで寝る/骨盤を広げてゆるめる

猫が丸まって寝る体勢に似ています。身体を小さく丸めて寝ると呼吸がしづらくなる人の方が圧倒的に多く、この寝相の人は少数派だと思います。ただし誰でもひざを抱え込んで強制的に丸まる姿勢をとると、最初は呼吸しづらいですが、しばらく我慢していると下腹+骨盤で大きく呼吸するようになって呼吸が深くなり骨盤に弾力が生まれます。

上下型、開閉型の寝相
片山洋次郎『姿勢をゆるめる 疲れない身体と心の整え方』(河出書房新社)より

骨盤の横幅が狭いタイプ(ズボンがずり下がりやすいタイプ)の人(a)は丸まって寝るのが楽です。骨盤の動きに弾力が出て、骨盤と下腹の呼吸運動が楽に深くできるようになります。

睡眠の質も深く、地震が起きても目が覚めないほどで、冬眠に近い眠りの深さとも言えます。また、深い眠りで体温が下がるので夏でも布団をかぶって潜る傾向があります。このタイプの人は、深く短いショートスリーパーでもあり、ダラダラ長く眠るとかえって疲れる感じがします。

骨盤の開閉の動きが強い骨盤型には正反対の「開けっ広げ」タイプ(b)もあります。たとえばひと仕事終わり、ストレスから解放されてひと息ついた時、手足を投げ出してのびのびしたい気持ちになることは誰にもありそうですね。そんな気分の時には「大の字」になって寝たいものですが、この寝相は、骨盤(骨盤底)をゆるめる寝相です。

骨盤の横幅が広く、骨盤底を縮める傾向が体質的に強いタイプの人は、この寝相がデフォルトです。興奮度が高い時や疲れた時は、片ひざを曲げたうつ伏せで寝ます(強く縮んだ骨盤底をゆるめる) 。

体癖……開閉(骨盤)型(骨盤の開閉バランスが要となる)
9種体癖:骨盤の横幅が狭い
どこでも眠れるが狭い場所や隅っこが好き
10種体癖:骨盤の横幅が広い
どこでも眠れるがリビングのような広々とした場所
片山 洋次郎(かたやま・ようじろう)
整体師

1950年神奈川県生まれ。東京大学教養学部中退。現在、身がまま整体 気響会を主宰。20歳代半ば、自身の腰痛をきっかけに整体に出会う。その後、野口晴哉の思想に触発されながら独自の整体法の技術を創り上げる。著書に『骨盤にきく』『身体にきく』『整体かれんだー』『女と骨盤』(以上文春文庫)、『自分にやさしくする整体』(ちくま文庫)、『生き抜くための整体』(河出文庫)、『呼吸をふわっと整える』(河出書房新社)などがある。