寝返りを打つ理由

③寝返りをよく打つ・寝相が悪い/ねじり運動でゆるめる

寝返りは、へそまわりを中心に、積極的に上半身と骨盤をねじることで、ねじれ(緊張)をゆるめる=「ねじりをもって、ねじれを制す」動きです。

片山洋次郎『姿勢をゆるめる 疲れない身体と心の整え方』(河出書房新社)
片山洋次郎『姿勢をゆるめる 疲れない身体と心の整え方』(河出書房新社)

右側に比べて左側がゆるみにくいことはすでにお話ししましたが、寝返りを打つことで、左右差によって生じる緊張をほぐしながら、ゆるみにくい左半身をゆるめ、疲れを回復しようとしているわけです。

疲れたり、湿度が高かったりすると、寝返りの回数が増えます。

子どもはよく寝返りを打ちますが、歳をとるほど寝返りを打ちにくくなります。また、加齢によってねじる範囲が小さくなり、寝返りの大きさや回数も減っていきます。これは、老化によって背骨の動きや肋骨の前面のやわらかい部分=肋軟骨が骨化して、胸全体が硬くなり、体幹をねじるやわらかさが失われていくためです。

上半身は仰向けのままで、ひざから下だけを交差させる寝相は、マイルドなねじりパターンです。多くの人が経験しているでしょう。

体癖……ねじれ(泌尿器) 型(脇腹の力がバランスの要となる)
7種体癖:上半身中心にねじる=上ねじれ(腕・脚が筋肉質)
8種体癖:骨盤中心にねじる=下ねじれ(手首・足首やわらかい)
④両手を頭上に上げ「バンザイ」の姿勢で寝る/首をゆるめる

バンザイで寝るのは、目や頭が疲れて前頭部がオーバーヒートし、目や頭の働きに関係する「首」に疲れがたまっている時の寝相です(頭や目が疲れている時は誰もがとる可能性がある体勢です)。

両手をバンザイの格好にすると、あごが自然に上がって首の力が抜けます。あごを引いて歯を食いしばる緊張姿勢とは逆の体勢です。

目を覚ましている間は、つねに思考を働かせたり気を使ったりしなければならないのであごを引く姿勢になり、首は緊張しています。しかし、ずっと緊張しているとこわばってしまうため、寝ている時にバンザイをして首をゆるめるのです。

片手を額にのせるのは、「バンザイ」の少しマイルドなパターンになります。

体癖……上下(頭脳)型(首がバランスの要となる)
1種体癖:首の後ろの筋肉が凝りやすい
2種体癖:首の横の筋肉が凝りやすい
寝付きが悪い、眠りが浅いロングスリーパー
夢をよく見る(=内容を覚えている)。夢の中で現実の問題を考え、解決することもある。