自分らしくいるにはどうすればよいか。フランス在住のデジタルクリエーターであるロッコさんは「『自分らしさ』からかけ離れているなと感じることがあったら、『今、自分は周りの期待する人物像を演じていないか?』と考えることで『自分らしさ』が生まれた」という――。

※本稿は、ロッコ『主役はいつも“私自身”フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)の一部を再編集したものです。

演じるのをやめて自分らしく

「役を演じる必要はありません」

近所に小さなチャペルがあり、敷地内の古い家で修道女さんたちが共同生活をしています。ある日、1人の修道女さんと立ち話をして、「自分らしさの見つけ方」についてアドバイスをいただきました。

「『自分らしさ』からかけ離れているなと感じることがあったら、『今、自分は周りの期待する人物像を演じていないか?』と考えてみましょう」と、彼女は提案します。

演じることを止めることで、「自分らしさ」が生まれる。

「あなただけの魅力を発見できるはずですよ」と優しい笑顔で応援してくれました。

私は子どもが生まれてから、ずっと「母らしさ」を演じる昭和の母親像にとらわれていたのですが、そこから少しずつアップデートしていこうと心に決めました。

アンテナを立てる

「主体的に生きているということだね」

とある異業種交流会でのこと。

私は、自己紹介をするとき、「フランスの暮らしから学んだことについて本を出版しました」と話しました。それに対して、あるマダムから「主体的に生きているということだね。いいじゃない」という言葉をいただきました。

瞬時に理解できなかったので、「どういうことですか?」ともう少し聞いてみたところ、「自分が『気づこう!』とアンテナを立てていなければ、あなたが書いた内容も、ただの日常生活の一部でしょう」と説明してくれました。

マダムの言葉で、「日常生活が学びのあるものになる、こんな思いがけない出会いや発見を大切にしたい」と思いました。

彼女の言葉も忘れないように、すかさずメモを取りました。そして、この本でそんな学びを共有できることを嬉しく思います。