手元の1000万円は30年後に500万円以下の価値になるおそれも
新NISAが始まって半年が経過しました。数年前まで遡ると、米国株ブーム、S&P500およびオルカン人気、そして日本株の好調などで投資を始めた人が多くおられることでしょう。
一方で、国や新聞・雑誌・ネットなどメディア、銀行・郵便局・証券会社・保険会社など金融機関から、お金や投資(運用)の話があふれるようにアウトプットされて、うんざりしている人も一定数いらっしゃるように感じています。
仕事や家事・育児に忙しいなか、「投資」「お金」「老後資産」と言われ続けると反発したくなる気持ちも頷けます。むしろ、それが普通の反応なのかもしれません。
でも、一時の「思い込み」で得られるはずのメリットを逃してしまうとしたら、それは残念なことです。ビギナーや投資を一歩前に進められない人は例えば、こんな思い込みを抱きがちです。
投資は怪しい、投資は最終的には必ず損をする、投資を学ぶ時間がない、投資をする時間がない、投資は面倒くさい、富の奪い合いは卑しい、投資にはまとまったお金が必要……。
私(50歳)は20代のサラリーマン時代から少しずつ投資を始め、25年間で資産は現在約1億8000万円超、近いうちに2億円も射程に入る予定です。金融には無縁な職業で、いわば素人です。最初は恐る恐る始めた私が今、みなさんに伝えたいのは、上記の投資への思い込みはほとんど誤った理解だということです。
インフレの今、何も動かないと得られるメリットをゲットできないだけでなく、損をする可能性が高い。インフレがもし30年間続いた場合、現在の1000万円の価値は30年後にどうなるか。物価上昇率1%の場合は740万円、同2%なら545万円、同3%なら401万円という試算が出ています。2~3%以上の場合、半額以下に激減してしまう(出典:読売新聞オンライン2024年3月1日配信「物価上昇続く2024年、持っておきたいインフレに強い資産とは?」)。
1年ごとで考えれば、1000万円を現金で持っているなら年20万~30万円も減らしていることになると試算する専門家もいます。つまり、何も投資しない人はどんどん損をする。
もともと投資のど素人の私でもできたのですから、新NISAのつみたて投資など基本的な仕組みさえ覚えれば、あとは「ほったらかし」でいける場合もあります。正直言えば、皆さんが何もしないで貯金のまま「ほったらかし」をして損しても、私の財布は全然傷みません。
でも、それでも気が済みません。本稿では下記10個のお金や投資(運用)の話への思い込みや「うんざり」を解消してさしあげましょう。「ほったらかし投資」と「貯金のままほったらかし」では、大きな違いを生みますから、後者にはならないでほしいです。