一旦、「やってみます」が正解
「初めて企画書を作る」「初めて会議を仕切る」
「初めて一人でクライアントを訪問する」など、不慣れなことを依頼されると、人は思わず尻込みし、逃げ出したくなるものです。でもそんな未経験や苦手な仕事に出会ったら、まず一旦、受け入れてみましょう。
なぜならあなたの周りの人たちは、あなたの能力や仕事ぶりを見ていないようで、実はよく観察しているからです。本当にできない人に「できない仕事」を振ることはありません。にも関わらず、逃げ出したり、嫌な顔をすると、周囲からの信頼を失うことになります。
だからこそ「やってみます」と、前向きに返答するのが正解です。失敗してもだいじょうぶ。仕事を依頼した人はその可能性まで、実は折り込み済みです。「たとえ失敗しても命を取られることはない」と考え、前向きに頑張れば成長と信頼の2つを獲得できます。
俳優・文筆家・画家などマルチな活躍で有名なリリー・フランキーさんは言いました。
「できないって言うのはもったいない。だから何でもやらせてくださいって言うんです」と。成功したVIPの中には自分の幅を広げるため、未経験にも関わらず「それ、得意です!」と言って仕事を獲得してから、急いで勉強する人もいたくらいです。未経験や苦手分野こそ、あなたの成長の伸びしろです。前向きに取り組まないのは損以外の何物でもありません。
重要なのは予算規模の大きさ
「能力が低いのに大きな利益を稼げる人の秘密は何だろう……?」
営業を始めて30年。最初の10年で感じていたのがこの疑問でした。
「アポの効率を上げる方法」「クロージングのトークを磨くテクニック」など、世の中にはデキる営業パーソンが書いたノウハウ本があふれています。
私もそのような本を500冊ほど読み込みましたが、それだけで劇的に営業成績を上げることはできませんでした。なぜなら肝心の営業の真理を把握していなかったからです。
今ならわかります。営業成績は、クライアントの予算規模で決まります。
100円の仕事も1億円の仕事も、正直、労力はそれほど大きくは変わりません。にも関わらず、普通の人は目の前の仕事に没頭。結果、時間を失い、売上が上がらないと嘆いています。
一方、同じ時間で大きな売上を上げる人は、大きな予算規模のクライアントに注力しています。冒頭の能力が低いけど稼ぐ営業は、まさに大きな予算のクライアントで稼いでいたのです。
スキルはとても大切です。しかし営業成績は、「営業成績=アポの数×打率×クライアントの予算規模」の公式で決まります。
目の前の仕事も大切ですが、予算規模の大きさで仕事を選ぶことはもっと重要です。スキル向上と合わせて規模も追い求めてください。