インドネシア国会議員に立候補した「元韓国人」
「韓国人が国会議員に立候補」
今年2月、インドネシア大統領選挙と同日に実施された国会議員選挙で、こんなニュースが驚きをもって報じられた。
立候補した「韓国人」は、元韓国籍で現在はインドネシア国籍のチュン・スン・キム氏。主要政党のゴルカル党から出馬し、結果的に落選したものの、現地の韓国人社会からは「現地国籍をとって国会議員になろうとチャレンジするのはすごい」と驚嘆する声も聞かれた。
立候補が決まった直後は「選挙のために急遽国籍を取得したのでは?」という疑惑も持たれたが、報道や公式インスタグラムなどによると、キム氏は1992年からインドネシアに住んでおり、居住歴は30年以上。2013年にインドネシア国籍を取得している。
「インドネシアドリーム」を実現
彼が設立した法律事務所のホームページによると、インドネシア大学法学部で学士号、修士号を取得し、現在は在インドネシア韓国大使館や在インドネシア韓国人協会の顧問弁護士を勤めているという。
公式インスタグラムでは昨年にASEANの会議でジャカルタを訪れた尹錫悦韓国大統領との2ショット写真もアップされている。現地の韓国人社会で一定の地位を築いているようだ。
地元の名士で実業家としても成功、現地国籍を取得し、国会議員の座を狙うキム氏のケースはまさに「インドネシアドリーム」。実際、現地に留学する韓国人大学生に取材をしたところ、「現地の星として『在外同胞(海外で暮らす韓国人)』の間でも尊敬されている」との声も聞かれた。