八百長疑惑という嫌疑までかかってしまった

で、水原一平さんですよ。なんかスポーツマスコミって、割と「糟糠の妻」的な、メジャー挑戦する大谷翔平さんのニコイチ、忠実な友人にして信頼できる通訳兼付き人みたいなイメージで売り出してませんでしたっけ。

伝わってくるエピソードがどれもガチクズの要素がてんこ盛りになってしまってるんですよ。ヤバイって。いわゆるギャンブル依存に特有のとっさのウソや虚飾だけでなく、実はカリフォルニア大学は卒業してませんでしたとか、事前のアメリカメディアにはインタビューでウソを語ってましたとか、手のひら返しも180度まででお願いしますと言いたくなるようなどうしようもない人物像まで伝わってきてしまっています。

記者会見のために置かれた大量のマイク
写真=iStock.com/RichLegg
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もちろん、あくまで悪いのはギャンブル依存であり、そのスポーツ賭博にしてもあくまでカリフォルニア州では禁じられている内容だったということを差し引かなければなりません。水原一平さんが置かれていた真の状況については、これから明らかになっていくでしょう。

しかしながら、賭け事の対象として野球賭博が疑われており、トップ中のトップ選手である大谷翔平さんから先発投手の調子が聞けていたらイカサマじゃないかとか、いわゆる八百長疑惑までついてくる以上、そういう嫌疑がかかってしまったら晴らすのは大変なことです。いわば、やっていないことは悪魔の証明であって、信じられるとしたら大谷翔平さんの超絶ストイックな人柄と大谷さんが水原さんに預けたとされる口座の状況に関する客観的証拠のみです。

スポーツ界の「完璧超人」も、29歳の若者である

スポーツ賭博を開帳していた事業者側の弁護士は大谷翔平さんからの入金があったことと大谷さんも顧客であることを売りにしたことを認めつつも、事実として、事業者が大谷さんとコンタクトを取っていたわけではないことを考えればメジャーリーグ機構としても大谷さんに重大な処分をするかどうかは微妙な情勢であるとされています。

ただですな、そんなスポーツ界の「完璧超人」大谷翔平さんと言えど、社会人経験という観点からしますと、29歳の若者なわけですよ。某社で言えば、ツーブロックのグループ長になってゴリラ率いてオッスオッス言っている年齢です。それも、野球という非常に限定された、世間一般で言えばかなり特殊な閉鎖的な世界において才能を発揮して、日本国民だけでなく野球を愛する世界50億人から愛される珍しいスーパースターなのです。

思い返せば、日本でも名を馳せた名選手であり阪神の監督まで務めた金本知憲さんも、2013年に極めて近しい知人に8億円もの資金を詐取され裁判沙汰になったり、メジャーでも大活躍して日本球界に名を残した中村紀洋さんの奥さんが手がけたアパレルが事業的に大失敗して大変なことになったり、本人の稼ぎをアテにしたカネを巡る騒動というのは後を絶ちません。中村紀洋さんの奥さんは近鉄時代のチームメイトの村上隆行さんの妹さんで、村上さんと言えば初代ファミスタではレイルウェイズの7番打者としても著名です。