古いiPhoneで流行りの「アホ携帯」を作ってみた 電話とメールだけのシンプルスマホは快適だが”落とし穴”も…(山口 真弘)

皆さんは「アホ携帯」なるジャンルをご存知でしょうか。これはアメリカで「Dumb Phone」と呼ばれているもので、電話やメール、メッセージやカレンダー、アラームといった、基本的な機能しか使えない携帯電話を指します。

アプリ次第で何でもできるスマートフォンとは一線を画したこの「アホ携帯」、シンプルイズベストを求めるユーザに受けがよく、2台目のスマホとしてだけでなく、スマホ嫌いのユーザが1台目のスマホとして買い求めるケースもあるとか。過去にも単発ではこうした製品はありましたが、インパクト抜群の呼び名がついたことで、ひとつのジャンルとして注目されつつあるというわけです。

そんな「アホ携帯」ですが、ハードウェアとしては特別なところはないため、その気になれば機種変更で余った古いスマホや、安価に調達した中古のスマホを使い、それっぽく仕立て上げることはできてしまいます。そこで今回は、約10年前の古いiPhoneを使って、この「アホ携帯」を作ることにチャレンジしてみたいと思います。

機能が限られた、通称「アホ携帯」は、一般的なスマホを改造すれば、それっぽいモデルを仕立て上げることができます

20万円を超える「全部入り」よりシンプルな方がいい?

家電の歴史をひもといてみると、こうした単機能のデバイスは、カメラにおけるレンズ付きフィルムや、ビデオデッキにおける再生専用機など、さまざまなジャンルでたびたび登場しています。必要でない機能を削り落とすことで、複雑な操作や高いコストを嫌うユーザにウケるというのが恒例のパターンで、そのジャンルがひととおり成熟し、市場が飽和したことの証であるとも言えます。