プロ入りがさらに難しくなった要因とは
笹原は、2014年にQTファイナルまで進出しツアープロとなった。2016年~17年には、レギュラーツアーにフル参戦している。
この期間はプロテスト合格を目指すというよりも、ツアープロとしての活動がメインとなっていた。2018年には、ステップ・アップ・ツアーの九州みらい建設グループレディースで2位に入っている。
このTPD単年登録制度だが、2018年に廃止が発表され、2020年からはJLPGAのツアーに参戦できるのは、原則的にプロテスト合格者のみと決まった。
この決定が、現在のプロテストがさらに狭き門となった一因だと言われている。本来ならツアープロとして活躍しているレベルの選手が、プロテストの最終予選20位タイという狭き門に殺到してしまうからだ。
笹原はこの制度変更の過渡期に、プロテストに合格しないままツアープロとして活動したことで、やや割を喰ってしまった印象がある。
2016~17年はレギュラーツアーに専念し、年間30試合弱に出場していた。制度変更の決まった2018年のプロテストは最終予選まで進出しているが、ツアーを転戦しながらのプロテスト受験は簡単ではなかっただろう。
選手として充実していたこの時期、もう少しプロテストに集中できていれば、あるいは違った未来があったのかもしれない。
「もともとゴルフが好きじゃなかった」
笹原は習い事としてゴルフを始めて、プロへの執着心がなかったという。
「もともとゴルフが好きじゃなかったので。プロになりたいと思ったこともなかったんです。やめたいけどやめられなくて、プロテストもあるから、受けなきゃいけない状況で。自分の意志ではなかったですね」
本意ではなかったが、プロテストがある以上、受験した。
最初のプロテストは、スコア「80」を切れば一次予選を通っていた時代。一般的なシングルプレーヤーでも十分に狙えるスコアだ。しかし、当時の笹原はそのハードルの低さであっても落ちてしまう実力だったという。
「その実力の時点で、受かるわけないですよね(笑)。でも、責任感はあったので、頑張って次の年は2次予選までいき、3年目は最終予選までいきました。一年、また一年と来年はもうちょっと頑張ろう、という感じでした」
2013年から2015年までの3年間、笹原はプロテスト最終予選まで進出する一方、QTにも挑戦して、TPD単年登録でツアープロとなった。
「プロテストが行われていて、競技ゴルフをやってる以上は受けた方がいい。受けるからには、結果を出したほうがいい、と思って頑張ってきたので、プロになりたくて努力したわけではないんです。QTを通ったら、どうなるかもわかってなくて、ステップ・アップ・ツアーがあることも知らなかったんです」