ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが急死したことについて、小学館とドラマ脚本家が2月8日、相次いでコメントを発表した。企業のリスク管理を研究する桜美林大学の西山守准教授は「これまでの関係者の発信を読み解くと、ドラマは最終的に全て芦原さんの監修が入っていた。『原作が尊重されなかった』と主張しているのは第三者だけではないか」という――。
小学館、ドラマ脚本家が相次いでコメントを発表
漫画家・芦原妃名子さんの死に関して、小学館社内での説明会で「社外発信なし」との報道が出た翌日の2月8日、小学館は一転して「編集者一同」の名義で公式サイトから情報を発信した。その直前には、ドラマの脚本家である相沢友子さんもSNSに投稿。当事者が徐々に重い口を開き始めている。
脚本家の相沢さんのSNSの投稿、亡くなられた芦原さんがブログに投稿された文章(すでに消されてはいるが)も合わせて事実を探ると、現在メディアやSNSで語られていることと、全く異なった全体像が見えてくる。
多くのメディア、多くの人々は、大きな事実誤認をしていたのではないだろうか?
原作者の意向は尊重されていた
芦原さんのブログでの説明の投稿、およびその後の死去にあたり、多くの人が「原作者(あるいは原作)が尊重されなかった」ことを激しく批判している。実際に、芦原さん死去の直後、脚本の相沢さんを批判する「原作クラッシャー」というワードがトレンド入りしていた。
しかし、過程はさておき、最終的に完成した作品については、芦原さんも含めて、当事者は誰一人としてそのような主張はしていない。むしろ、実態は真逆だったようだ。
にもかかわらず、過程だけが切り取られてそれが結果であるかのように語られている。
小学館から出ている文章の通り、編集者とメディア担当は、できるだけ芦原さんの意向を通そうと尽力したに違いない。日本テレビ側はまだ詳細の情報を出していないが、最終的には芦原さんの意向が尊重されていることは、芦原さんの削除されたブログの投稿から伺える。
最後の2話に至っては、脚本家は外れて、芦原さんの意向通りにドラマが制作されている。芦原さんのブログでもそのことは説明されていた。