私立医学部の偏差値は国公立とほぼ同等
次に、私立大学医学部の偏差値について見ていきましょう。
かつては偏差値40〜50台の医学部もたくさんありましたが、昨今では、私立大学医学部に合格するために必要な学力レベルは、以前に比べはるかに高くなっています。もはや私立大学医学部の偏差値は、国公立大学医学部の偏差値とほとんど変わらないというのが実情です。
図表3は、2020年度の医学部の偏差値一覧から一部を抜粋したものです。私立大学医学部の偏差値帯は、国公立大学の医学部とほぼ同等となっています。
ここで「偏差値」についてあらためて説明しましょう。偏差値とは「平均からどれくらいの差があるか」を表した数値で、全体の中での相対順位を知ることができます。
全受験生の上位6~7%に入らなければいけない
偏差値50以上の人数は全体の半分である50%、そして、偏差値65以上の人数は上位6〜7%にあたります。医学部に合格するためには、約65以上の偏差値、すなわち、上位6〜7%に入る成績が必要であり、これは京都大学の医学部以外の理系学部に合格するための偏差値と同等です。
つまり、私立大学の医学部に合格するためには、少なくとも受験で使用する科目、英語、数学、理科2科目においては、京都大学に合格できるくらいの偏差値が必要となります。
令和のこの時代において、「私立大学の医学部なら簡単」という状況は存在しないのです。
もしも国公立大学の医学部を狙うのであれば、さらに共通テストを受験し、国語・社会も含めて80%以上の得点率が求められます。
本書の第1章で、医療現場の過酷な状況をメディアの報道などでまのあたりにしたうえで、「自分もそこに飛び込み、医師として、人の役に立ちたい」と強く決意する子が増えたように感じるとお伝えしました。今、医学部を目指すということは、このようにモチベーションの高い受験生たちにまさるとも劣らない勢いで学習に取り組む必要があるということです。