現状をきちんと伝え、不足部分は努力で補うと宣言

OK! 通る文例
①就職氷河期ということもあって、事業規模はそう大きくありませんが、現職に新卒入社して今に至っています。
②中小企業ゆえに、自分の仕事にだけ集中すれば良いという環境ではなく、領域外の仕事に駆り出されることもよくあります。
③もちろん規模や難易度の違いはあるでしょうが、同職種ですのでベースの部分は同じなはずで、貴社で活用できる私の経験やスキルはあると考えています。
入社後は、より一層高いレベルに対応できるよう、自己啓発にも励みたいと思っています。
POINT
①今までの事実を振り返る
②絶対に盛らないで、現状をきちんと伝える
③このように共通点を見出して、不足があってもある程度はやっていける、そして不足部分は努力で補うことを宣言する

実務経験が乏しい場合

転職先として考えている企業や業界の経験がない、乏しいというケースです。

中高年ですと、企業が求めるのは今まで培ってきた「豊富な実務経験」です。

ただ、今までの経験にとらわれず、未経験でもやりたい仕事に就きたいといったキャリアチェンジを目指す中高年も相当数いらっしゃいます。こういった人はこのケースに該当します。

中高年に求められる実務経験が不足しているので、もちろん不利になります(常に人材が不足している介護業界等や、新しい視点で新しい発想を求めるような仕事のため「未経験でも歓迎」といったごく一部の例外はあります)。

「類似した経験はあるから大丈夫では?」「応募要項に経験5年以上とあるけど、3年はあるからOK?」と、つい甘く見積もってしまいます。

法人営業の経験を求めているのに個人営業の経験しかなかったり、営業ではなく販売の経験しかないのに自分は通用すると誤解してしまうことがあります。

まずは求人情報を精読する

打ち返し以前に、まずは求人情報を精読することです。例えば、5年程度の経験が必須で、4年8カ月なら許容範囲でしょう。そもそも必須条件を満たしていなければ、応募するだけ無駄ですから。

応募できそうなら、そこで働きたい熱い思いや、足りない部分を補っていく決意を軸に打ち返していきます。

・経験はないが、やる気があれば受け入れてくださるとのこと。今後はこの仕事でやっていきたいという固い決意がある
・現時点では経験が足りていないが、初心に帰って、それこそ雑巾がけからスタートする覚悟がある
・いち早く一人前になるため、休みも使って勉強したい
NG! やってはいけないこと

経験が足りていない点をフォローしようとして、類似の経験を強くアピールしてしまうことです。

ITコンサルタントの募集があったとして、ITスキルがあってもコンサル経験がない、またはその逆といったケース。

もちろん募集要項を満たしていればOKですが、「プログラマー一筋でコンサル経験がないのに、ヘルプデスク対応の経験があるのでコンサルでも役立つ」みたいなPRをしてしまうのは、外すのでやめておきましょう。

採用に応募する人
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