虚偽や誇大はご法度だがあえて積極的に開示しなくても
「狐と狸の化かし合い」とまでは言いませんが、採用選考において駆け引きするシーンは実際にあります。虚偽や誇大はご法度と常々から申していますが、いくら事実とはいえ、このメンタル関係は詳らかに説明すればするほど採用人事の懸念が増大するので不利に働く場合が多いです。
また、これはセンシティブ情報でもありますので、あえて積極的に開示していく姿勢も、筆者は逆効果だと考えます。
なお、繰り返しになりますが、これらの対策は、「今は働くのに何の問題もないと伝える」が大前提であることは絶対に忘れないでください。
OK! 通る文例
②同じ職場の仲間が急に退職し、新しい社員も入ってこない状態で、私が2人分の仕事を抱えることになったのが原因です。
③体調不良について早めに上司に相談したこともあって、仕事への影響は最小限度にとどめることができ、その後、回復まで十分なお休みをいただきました。そのため、今は元通りの仕事ができています。
POINT
②納得感の得られる、よくある事象であれば伝えておく
③今は問題なく働けるという点は絶対に伝える
NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。日本では数少ない、応募者と採用者の両面を熟知する存在。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。