ステージ4の盲腸がんサバイバーが気づいたこと

抑圧された感情を、ドラムをはじめさまざまな方法で解放しようと試みてきた劇的寛解者の一人が、シカゴ出身のカーリン・マーレイです。盲腸がんサバイバーのカーリンは、20年以上にわたって心と身体、精神のつながりを研究してきました。

診断されるまでの1年間に、カーリンはつらい離婚を経験し、破産を申請し、重度のパーキンソン病と認知症に苦しむ年老いた母親の世話をするために引っ越さなければなりませんでした。当時22歳と20歳だった2人の子どもたちは、家を出て大学に通っていました。この極めて過酷な1年半のあと、カーリンは2013年にステージ4の盲腸がんと診断されたのです。

カーリンの治療は、腹部の臓器を圧迫していた15ポンド(約7キログラム)の腫瘍を取り除くための緊急手術からはじまりました。カーリンは自然治癒を試してもいいかと聞きましたが、医師はがんが進行しすぎているので、すぐに処置をする必要があると言いました。

カーリンは3カ月で4回の化学療法を受け、その後12時間の腹腔内温熱科学療法(HIPEC)の手術を受けることに同意。さらに、彼女は抑圧された感情を解放することが重要な要因であると気づきましたが、10の劇的寛解の治癒要因をすべて受け入れました。

従来の治療のあとの数年にわたる治療の間、カーリンは多くのエネルギー療法士と一緒に取り組みました。

「私は専門家とともに、がん診断の際についてくる感情の中心に“恥”があることを突き止めました!

この気づきによって、私は自分自身を見つめ直し、どのように自身をケアしていたかを確認することができました。自分自身が後回しになっていて、消耗していたのです。

私はほかの人のために与える人であり、介護者であり、母親であり、神聖な空間を保持する人でした。私はほかの人を世話するように自分自身を愛し、育てることを学ばなければいけなかったのです。私は自分自身に徹底的なセルフケアと自己愛を与え、古いパターンを壊し、子どもを愛するように自分自身を愛さなければなりませんでした」

「5年生存率が25%未満」からの劇的寛解

カーリンは、治癒の一環として手放す必要がある感情パターンが、どのように確立されたかを知るために、自分の子ども時代を調べました。

ケリー・ターナー『がんが自然に治る10の習慣』(プレジデント社)
ケリー・ターナー『がんが自然に治る10の習慣』(プレジデント社)

「私たちの家庭では、病気の人がすべての注目を集めていました。自分の治療の過程で、私は注目されたり世話をしてもらったりという、自分がどうしても欲しかったものを手に入れるために病気を利用していたことに気づいたのです。私は、『愛や関心を得るために自分の状態を利用する必要はもうない』と、繰り返し唱えました。自分の身体のエネルギーの流れを止めている問題やトラウマを突き止めることはとても重要で、それによって“病”が私たちの経験に入り込んでくるのです」

5年生存率が25%未満というステージ4の盲腸がんと診断されてから、6年以上経ちました。HIPEC手術のような画期的な従来の治療法と、過去の恥の感情を解放することを含む10の劇的寛解の要因を組み合わせることによって、彼女はとてつもない劣勢に打ち勝ち、健康で普通の生活を送ることができるようになりました。

彼女は現在、ラディカル・リミッション・ワークショップの公認インストラクターやヘルスコーチとして、がん患者に恩返しをしています。

※1.Lengacher, C. A., et al. “Influence of mindfulness-based stress reduction (MBSR) on telomerase activity in women with breast cancer (BC).” Biological Research for Nursing. 16, no. 4 (October 2014): 438–447. doi: 10.1177/1099800413519495.

※2.U.S. Centers for Disease Control and Prevention. “About the CDC-Kaiser ACE Study.” Last modified April 2, 2019.

※3.“Past trauma may haunt your future health: Adverse childhood experiences, in particular, are linked to chronic health conditions.” Harvard Health Publishing, Harvard Medical School. Last modified February 2019. 

※4.Chivers-Wilson, K.A. “Sexual assault and posttraumatic stress disorder: a review of the biological, psychological and sociological factors and treatments.” McGill Journal of Medicine. 9, no. 2 (July 2006): 111–8. PMID: 18523613.

※5.Smith, S. G., et al. National Intimate Partner and Sexual Violence Survey: 2015 Data Brief – Updated Release. Atlanta, GA: United States Centers for Disease Control and Prevention, National Center for Injury Prevention and Control, Division of Violence Prevention, November 2018.

※6.Cash, H., et al. “Internet Addiction: A Brief Summary of Research and Practice.” Current Psychiatry Reviews. 8, no. 4 (November 2012): 292–298. doi:10.2174/157340012803520513; Montag, C., et al. “Internet Communication Disorder and the Structure of the Human Brain: Initial Insights on WeChat Addiction.” Scientific Reports. 8, no. 1 (February 1, 2018): 2155. doi: 10.1038/s41598-018-19904-y.

※7.Fancourt, D., et al. “Effects of Group Drumming Interventions on Anxiety, Depression, Social Resilience and Inflammatory Immune Response among Mental Health Service Users.” PLOS One. 11, no. 3 (March 14, 2016): e0151136. doi:10.1371/journal.pone.0151136.

(翻訳=佐々木加奈子)
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