直感からのメッセージを聞く

「なにか嫌なことが起きる予感がする」
「危なそうだという虫の知らせがあった」

みなさんも、こんな感覚を覚えたことがあると思います。

これは冒頭に書いた「嫌な気持ち」にも通じますが、こうした「直感」はあなたの体からのメッセージであり、それに従ったほうが嫌な事態を避けられる可能性が高まります。

なぜなら、直感というのはこれまでの経験や想像力などをベースにして、論理的な思考によることなく、無意識に危険を感じ取ったり、記憶から情報を引き出したりして知らせてくれるものだからです。

直感というメッセージを正しく受け取れれば、適切にものごとに対処できます。嫌な予感がする人や場所やシチュエーションなども、うまく避けることができるでしょう。

「なんとなく嫌な感じがする」といったときは、誰にでもあると思います。

いまなんとなく不安感がある人は、そんな感情に対処するために、直感からのメッセージもないがしろにず、ぜひ注意深く見直して活用するようにしてみてください。

「自己嫌悪」に陥るのは、脳が成長している証

不安感情は、大人になってからよりも、それ以前の若いときのほうが強い傾向があります。これは思春期の脳が、不安をより大きくする回路を持っているからです。

中野信子『感情に振り回されないレッスン』(プレジデント社)
中野信子『感情に振り回されないレッスン』(プレジデント社)

脳のなかの「前頭前皮質」という部分は、自分の行動を抑制したり、将来に向けて予定を立てたりする働きを担っています。この部分のおかげで、不安を感じても衝動的な行動をせずに、将来のことを考えて冷静に対処することができます。

しかし前頭前皮質は、思春期にはまだ十分発達していません。完全に成長するのは30歳前後といわれており、脳が成熟していないために、若者は不安を感じやすいわけです。

不安にもいろいろありますが、若いころは学校などで他人と比べられる機会も多く、自己嫌悪感が強くなりがちです。でも、それは脳の性質上、ある程度仕方がない面もあるのです。

もし、あなたの身近にいる若者が不安感や自己嫌悪で苦しんでいたら、「強い不安を感じるのは脳の仕組みとして当然のことなんだよ」と伝えてあげてほしいと思います。