非常に恐ろしい「どんぶり勘定」

貯蓄を増やすためには、収入と支出をしっかり管理することが大切です。

茶碗いっぱいのご飯
写真=iStock.com/mstwin
非常に恐ろしい「どんぶり勘定」(※写真はイメージです)

公認会計士の林あつむさんは、著書の中で、家計の実態をつかむことの大切さを強調しています。

「収入も支出も貯金額も大幅に間違って把握していたり、皆目見当もつかない、という家庭が多いのです。(略)こうした『どんぶり勘定』で、家計の実態が見えていないのは、非常に恐ろしいことです。収入が低いことよりも、実態が見えていないことのほうが怖いと私は思います」(『新版 正しい家計管理』/すみれ書房)

ファイナンシャル・プランナーの泉美智子さんも、

「資産形成を考える上では、収入はもちろん重要ですが、家計支出が最も注視すべき“キモ”となります。自分の貯蓄は多いのか少ないのかと疑問に思っている人も、まずは自分の家計収支から貯蓄や投資に回せる額の把握から始めましょう」(『今さら聞けない投資の超基本』/朝日新聞出版)

と述べています。

家計簿を長続きさせるコツ

自分が「何に、いくら使っているのか」を把握する方法として、多くの著者が「家計簿をつける」ことをすすめていました。

100冊に紹介されてあった「家計簿を長続きさせるコツ」をまとめると、以下になります。

◆家計簿を長続きさせるコツ
・手書きや表計算ソフト、アプリなどさまざまな種類があるので、いくつか試してみて、自分に合った家計簿を見つける。
・食費や日用品費といった支出項目を、最初から厳密に分けなくていい。支出項目がたくさんあると「これは、どの項目に入れたらいいのか」と迷ってしまう。最初は項目を少なくして、慣れてきたら項目を増やしていく。
・家計簿をつけるタイミングを決めておくと、習慣化しやすい。
・「何に、どれくらいのお金を使っているのか」を把握することが目的であれば、1円単位のお金の誤差は気にしなくていい。