ブダペスト世界陸上でプーマが躍進した

先日のブダペスト世界陸上でプーマのロゴを目にした方は少なくないだろう。同社はオーストラリア、ボツワナ、ブラジル、キューバ、ジャマイカ、ノルウェー、ポルトガル、ウクライナなど16カ国にユニフォームを提供した。

男子400mハードルで世界記録を持つカールステン・ワーホルム(ノルウェー)、同棒高跳の世界記録保持者であるアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)ら全328選手とも個別に契約中だ。契約選手は前述の「NITROTM FOAM」を搭載した陸上競技用スパイク(4モデル)を履いた。

プーマのスパイクシューズ
写真提供=プーマジャパン
プーマのスパイクシューズ

TBSが流すライブ中継ではプーマのCMも目を引いた。いまをときめくサッカー選手の三苫薫、それからサニブラウン・アブデル・ハキームらが登場。サニブラウンが男子100mで6位入賞を果たしたこともあり、インパクトは抜群だった。

「ブダペスト世界陸上が終わった後、プーマのランニングメッセージは間違いなく高くなっていると思います」(萩尾社長)

国内での勝負は箱根駅伝!

大手海外メーカーのナイキ、アディダス、ニューバランス、国内老舗メーカーのアシックスとミズノ。それから近年はオン、ホカ、アンダーアーマーなどの新興勢力も台頭しており、国内のランニング市場は群雄割拠ともいえる時代を迎えている。そのなかでプーマはどう戦っていくのか。

「2021年、ランニング業界に本格参戦しましたが、当時はプーマにランニングシューズがあったの? 誰が履いているの? という状況だったと思います。そこから5~6年先を最初のゴールとして、逆算で取り組んできました。

最初のフェーズはランニングブランドとして認知してもらうためのイメージづくり。今年の箱根駅伝は7人の選手がプーマを履いていたたことで、注目度が上がりました。

次のフェーズは、いかにプーマのシューズを体験してもらえるのか。インストアでの試し履きは毎週、日本全国のどこかでやっており、年間5万人の方に足を入れてもらうのを目標にしています。これまではプーマの商品をしっかり理解していただいたスタッフのいる店舗でしか販売していませんでしたが、しっかりとベースを作り、2024年に拡大しいくという戦略を考えています」

プーマの最新シューズ「メンズ ディヴィエイト ニトロ エリート 2 ランニングシューズ」
写真提供=プーマジャパン
プーマの最新シューズ「メンズ ディヴィエイト ニトロ エリート 2 ランニングシューズ」

国内マーケットを見据えたうえで、最重要視しているのが4カ月後に迫った正月の箱根駅伝だ。

「駅伝は日本独自の文化ですし、正月の長時間番組であれだけの視聴率があり、日本人が熱狂する。プーマの信頼性、本物感を伝えていくためにも、2024年の第100回大会で着用人数の大幅増を目指すべく取り組んでいます」