育児と介護は違う
一方、ビジネスケアラー予備軍の人にも課題があります。
まだ介護について理解が進んでいない人と話をしていて、驚かされることがあります。それは仕事との両立において「育児も、介護も、同じようなもの」という誤解がとても多いということです。
実際に介護を経験すれば明らかなのですが、これは、完全に間違いです。育児と介護は、似ているどころか、むしろ正反対とも言えるほど、異なっています。図表2を見れば、育児と介護の違いがはっきりとわかると思います。そもそも介護の場合は一般的に、大きく次の3つの特徴があります。
1 情報が足りない
2 考える時間が足りない
3 職場に相談できるネットワークがない
2 考える時間が足りない
3 職場に相談できるネットワークがない
それに加えて、育児は、図表2の下表に示したように経験されます。また育児は、辛いながらも、子どもの成長から仕事のモチベーションを得ていくことが可能でしょう。対して介護は、そこから仕事のモチベーションを得ることは難しいということも考えておく必要があります。
誤解を避けるために付け加えておきますが、育児が簡単だとか、そういうことが言いたいのではありません。そうではなくて、育児と介護はまったく違うということを認識し、それぞれに異なる対応の戦略が必要だということです。