サラリーマンという立場がお金を生む

金融機関は、基本的には「返済する意思と能力がある」と認めた人にしかお金を貸しません。当たり前ですよね。

ここで有利なのがサラリーマンです。サラリーマンの最大の武器は、毎月決まった収入があるということであり、その信用力によって銀行からお金を借りることができるのです。反面、フリーターや派遣社員、自営業者や赤字企業の経営者は、原則として投資ローンを組むことが難しくなります。より豊かになるための借金が、フリーターはできないけれども、会社員にはできる。これって実はすごいことです。

もしあなたが会社員であれば、それは最初からサイコロの6の目を出したのと同じなのです。いったいどれだけの人が、「自分が会社員というだけで、お金を引っ張る力を持てる」ということに気がついているでしょうか。この特権に気がついてフル活用する人と、それに気づかず、あるいはわかっていても活用しない人との間に、経済的格差が発生することがわかるでしょうか。

裏地付きの銀行看板
写真=iStock.com/y-studio
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入居率を高く維持する条件

不動産投資といっても、考え方や手法はいろいろあります。そんななかで、どうすれば長期安定化ができるのかを考えたとき、その条件は、

1、入居者が長く住んでくれる
2、今の入居者が退去しても、すぐに次の入居者が決まる
3、年数が経過しても、家賃があまり下がらない

というものになります。

1が実現できると、入居者の入れ替わりがない分、退去時の精算、ルームクリーニングや内装リフォーム、募集や契約事務といった作業が発生しないことになります。

つまり、普段は何もしなくてもよい、ということです。それに、長く住んでくれるということは、一般的にはその部屋に満足しているということですから、クレームや家賃滞納も少なく、ますますやることはなくなります。

2が実現できると、家賃が入ってこない空白の時間が短くて済みます。

1が理想的だとはいえ、永遠にそこに住み続けることはなく、入居者は就職・転職・結婚・マイホーム購入・帰郷など、さまざまな理由で退去していきます。賃貸経営とは、必ず空室期間は発生するものであり、これはやむを得ないことです。そのとき、次の入居者がなかなか決まらなければ、その部屋の収入はゼロです。もしローンを組んでいれば返済分の持ち出しが毎月発生することになります。これはしんどい状況です。

しかし、すぐに決まれば、再び家賃収入が入ってきますから、持ち出しも少なく、安心です。

3が実現できると、収益のブレが少なく、精神的にも金銭的にも非常に安定します。もちろん、物件が古くなると、家賃が下がるのはやむを得ません。

あるいは、競合物件が家賃を下げれば、周辺の家賃相場も影響を受け、やはり下がってしまいます。すると、返済が収入を上回り、持ち出しが発生する、ということになりかねません。しかし、物件を買ったときと比べて、家賃があまり下がらなければ、あるいは下落幅が小さければ、収入が維持できます。