会社員の経費は概算でOK

そもそも「給与所得控除」とは何でしょうか。

会社員として働く場合、スーツ代や通信費用、勉強するための費用などが必要です。

自営業者の場合は必要経費を収入から引くことができますが、会社員は費用の範囲が不明確になりがちなので、「概算でこのくらい引いてOK」という額が定められています。これが「給与所得控除」です。

会社員でも実額を控除できる「特定支出控除」という制度もあります。ただ、処理が面倒な割にメリットがないため、ほとんど使われていません。給与所得者約6000万人のうち、特定支出控除の利用者は約1000人程度と言われています。

「収入の3割」が控除されている

では「給与所得控除」はどのように決まっているのでしょうか。

基本的には、収入に応じて、55万~195万円を給与所得控除として収入から引くことが認められています。

給与所得控除の水準は大体「収入の3割」が目安とされていて、年収が400万円より低い場合は「収入の4割」、高い場合は「収入の2割以下」くらいになります。

また、年収が850万円を超えると、給与所得控除は195万円で打ち止めとなり、それ以上は上がりません。

【図表2】給与所得控除とは
筆者作成