マッチングアプリでの婚活を成功させるには何が大事なのか。ライターの石神賢介さんは「年齢や容姿ではない。最も大事なのは、質問をして会話を続けることだ。それにより相手が親近感を覚え、距離が縮まりデートに誘いやすくなる」という――。(第1回)

※本稿は、石神賢介『婚活中毒』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

オンラインデートアプリを使用する男性
写真=iStock.com/Chainarong Prasertthai
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30年間の婚活でデートした女性の数は300人超

恥ずかしながら、誰よりもたくさん婚活をしてきた。婚活を始めたのは1990年代半ば。30代後半だった。それから30年近く、婚活パーティー、結婚相談所、婚活アプリ、婚活バスツアー、婚活ハイキング、婚活ディナー、婚活ランチ、婚活料理教室、婚活座禅、婚活クルージング、たこ焼き婚活……などに参加してきた。

出会った女性は数えきれない。食事やお茶やドライブをした女性は300人を超えている。その数をかつて記事に書こうとしたら、300人は非現実的なので100人にしてほしいと、出版社の人に言われた。アドバイスにしたがって「会った女性は100人以上」と記したが、実際は300人ではきかない。

その長期にわたる“活動”で得た知識や体験をベースにこの本を書いていきたい。

なぜ還暦越えのオジサンがモテたのか

筆者のスペックは誇れるものではない。いわゆるイケメンとはほど遠い容姿だ。身長は166センチしかない。この5年で3センチも縮んだ。加齢のせいだろう。体重は75キロもある。頭はおはちが張り、手足は短い、典型的な農耕民族体型の昭和人だ。還暦も迎えた。今は65歳〜74歳を前期高齢者と定義しているらしいので、高齢前夜、“アラカン”だ。

婚歴は30代前半の1回。1年もしないうちに妻には逃げられた。学歴は大卒だが、東京郊外の私立大学に2年浪人して入れてもらった。職業はいうまでもないが、文筆業。個人事業主。つまり収入も生活も不安定だ。

それでも、婚活ツールを利用すれば、コンスタントに女性と出会えてきた。会社員をはじめ、CA(キャビン・アテンダント)、女優、モデル、銀座のホステス、シンガーソングライター、ドクター、看護師、秘書、コンパニオン、華道の師範、極道の元情婦……などと交際してきた。

悪戦苦闘、創意工夫、堅忍質直の成果だと自負している。