一方の『戦争論』は一対一のパワーゲームを想定しているだけに、自分にとって何が重要なのか、そこに脇目も振らずに集中しておくことがいかに大切か、ということを繰り返し説いている。例えば、上司や同僚と抜き差しならぬ関係になったとき、大いに応用できる観点だ。

クラウゼヴィッツ
Carl Phillip Gottliebvon Clausewitz
1780~1831 プロイセン王国(現ドイツ)の軍人・軍事学者。陸軍将校として、主にナポレオン率いるフランス国民軍との交戦経験をもとに『戦争論』草稿を執筆。没後の32年、夫人がこれを編纂し刊行した。(C.P.C.photo、Bridgeman Art Library/PANA=写真)

実は、『戦争論』にはそれ以上に大きな学びとなる指摘がある。

争いごとが起きたとき、ある程度頭のいい人たちがあれこれ考えても、出てくるアイデアはどれも似たり寄ったりになりがちだ。諸葛亮孔明のような智謀が湧き出るなど、まずありえない。