統計学の基礎を身につけよ

ところが日本人には、この類の発想をできない人が多いのです。

野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)
野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)

例えば、食糧危機に対処する最も重要な方策は、供給源を世界に分散することです。しかし日本では、まったく逆に、国内自給率を高めることが必要だと考えられています。あるいは、金融資産を、期待収益率だけで評価しようとします。そして、リスクを無視します。

危険分散の理論は、中世のイタリアですでに知られていたことであり、現代の最先端理論ではありません。しかし、その理論を知り、それを実際の仕事に活用できることは、現代の世界でも、間違いなく最強のスキルです。

これを学ぶのに、セミナーを受講する必要はありません。独学すればよいのです。

日本企業の全員が、統計学の基礎を身につけ、それを日常の仕事で活用するだけで、日本は大きく変わると思います。それは、社員がセミナーでデジタル化の最新事情を知るより、ずっと重要なことです。

【関連記事】
【第1回】「自分の頭で考えよ」は最悪のアドバイス…勉強法の達人が「大人になっても暗記は必須」と断言する理由
「自分は学んでいない」という自覚すらない…日本が世界一学ばない国になった本当の原因
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと
「この人は何も考えていないな…」これがないと社会人としてレベルが低いと思われる必須のビジネススキル
食事は毎日マグロ丼…女子大生がマグロ漁船で100円のお菓子を2000円で取引して分かった"商売の本質"