※本稿は、道江美貴子『国内最大級の食事管理アプリ「あすけん」公式 結局、これを食べるが勝ち』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
「わかめスープ」が寝不足の救世主に
安眠に必要なものといえば、皆さんもご存知の睡眠ホルモン「メラトニン」です。メラトニンは、日が暮れ始める夕方から脳内で合成が始まり、分泌が徐々に増加。就寝時には大量に分泌されて深い睡眠に導いてくれます。
わかめに含まれるマグネシウムは、このメラトニン合成に欠かすことのできない栄養素。ですから安眠のために食事でとりたいものは、コンソメスープではなく、マグネシウムを効率的に補給できるわかめスープを飲むのが正解です。
ちなみに、マグネシウムはメラトニン合成のほかにも、酵素の働きを助けたり筋肉の収縮をコントロールしたり、神経の興奮を抑制したりなど、さまざまな重要な働きを担っています。もし不足するとメラトニンが減るだけでなく、不整脈や血圧の上昇を招いて心疾患のリスクを高めてしまいます。マグネシウムは、わかめなどの海藻類のほか、大豆製品、ごま、ナッツ類、バナナ、アボカドなどにも多く含まれていますので、積極的に食生活に取り入れてみましょう。
「バナナヨーグルト+きな粉」は理想のバランス
マグネシウムの代謝は、カルシウムととても深い関係にあります。マグネシウムは筋肉や血液に存在しますが、多くは骨にあって、マグネシウムの不足や過剰摂取が起こると、体内のカルシウムも排出されてしまうのです。
ですからマグネシウムとカルシウムをバランスよく摂ることが大切。摂取の比率は、マグネシウム:カルシウム=1:2が理想です。
2つの栄養素をバランスよく摂るには、たとえばカルシウムが豊富なヨーグルトに、マグネシウムを多く含むバナナときな粉をトッピングしたり、納豆や豆腐、油揚げなどの大豆製品を1日1回取り入れる、味噌汁やスープに海藻をプラスする、おひたしや炒め物にすりごまをかけるといった方法も有効です。
一方、アルコールを摂りすぎるとマグネシウムが尿から排出されてメラトニン合成が滞るだけでなく、アルコール自体にも眠りを浅くする働きがあるため、飲みすぎには注意しましょう。