道筋を理解できない相手をどう説得するか

さて、ココからが本番です。

HUNTER×HUNTER』で言えば、さきほどの問題がハンター試験で、これから始まるのが、「裏ハンター試験」となります。

【課題:40km!マンを説得せよ】

あなたが出した「答え」は当然30km!

しかしながら、友人はしたり顔で「答えは40kmでしょ」と叫んでいます。

今からその友人に正解を説明し、納得させてください。

この時皆さんならどう説明しますか?

友人「できた? 当然40kmだよね。簡単だよね」
あなた「」

よくあるシチュエーションですよね。

しかし皆さんは、こんな説得をしてしまっていないでしょうか?

友人「できた? 当然40kmだよね。簡単だよね」
あなた「いや、30kmだよ。例えば距離を120kmとするじゃん? すると行きは、[120km÷60km=2時間]で、帰りは[120km÷20km=6時間]となるよね。つまり往復だと[240kmを進むのに8時間かかった]ということになるから、往復での平均の速さは[240km÷8時間=30km]になるんだよ」

確かに、説明としては100%「正しい」。

しかし、40km! と自信満々に答えた友人の理解力が乏しければ、すかさずこういう質問が飛んでくる。

「なんとなくわかったけど……40kmではなんでダメかわからない」

とはいえ、今回のお題は「答えのある」算数の問題なのでこの説明でも成立します。

「距離、速さ、時間の公式だよ」とか極端な話「そういうもんだよ」と言ってしまってもいいくらいです。

ただ、理解できない相手への説明としては親切ではないのです。

こういった時、ある方法を使えば理解してくれる確率を高めることができます。

それがB○条件(読み方:ビーマルじょうけん)です。

B○条件とは簡単にいうと「B案(相手の主張)が◯となる(成立する)条件(b)を示して、その条件を否定(a)した上で、A案(自分の主張)に誘導する議論と説得の手法」です。

この図表1が、B○条件を掴むキーとなります。

この図を写真に撮って今日から3日間だけで良いので、スマホの待ち受け画面にしてみてください。

これで思考が変わります。

行動が変わります。

この図の意味は、後でわかります。

自分の考えをストレートに伝えても意見は交わらない

さて「40km!マンを説得せよ」を解説しながら、僕の愛する「B○条件」を感じていただきましょう。

自分と相手の意見が異なった時に、相手を説得するには2つのルートがあります。

2つの思考パスともいいます。

通常ルートの1つ目がこちら。

A○(読み方:エーマル)=「自分の意見を丁寧に説明する」

これは自分の考え=Aをストレートに説明するルートです。

さきほど示した「40km!マン」への説明がこれに当たります。

自分の考え、正論を直球で伝える方法ですね。

多くの場合このルートは、あなたと友人が彼氏彼女のように愛で満ち溢れた関係であれば、「理解しようと」最後まで聞いてくれるかもしれませんが、多くの場合そうはなりません。

相手はきっとこう思っているからです。

「なんか、言っていることは正しそうだけど、よくわからない。頭に入ってこない」

仕方ないのです。

この話を「聞いている」時点ではまだ自分の答えを信じていますからね。

「答えのある」算数のような問題でもよく起こることですから、これが「答えのない」ゲームだったら、なおさら聞く耳など持ってくれません。

「それは君の意見でしょ。僕の意見は違うから」

高松智史『「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術』(実業之日本社)
高松智史『「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術』(実業之日本社)

と言ってくるでしょう。

こうなるともう平行線。

あなたと相手の意見は交わることはありません。

このように「A○」説得では、不十分なのです。

これは圧倒的な信頼や圧倒的な力の差がある関係性の中でしか効果を発揮しません。

こうなってしまうと「答えのない」ゲームでは、議論にすらなりません。