リユース市場の王「メルカリ」との差別化

そのリユース市場ですが、なんといってもリユース市場のガリバー企業はメルカリです。そのメルカリとゲオはどう比較すべきなのでしょう。

メルカリはあくまで仲介プラットフォームなので比較する数字はメルカリの売上(つまり手数料収入)ではなく取扱高(実際に個人間取引されている金額の総合計)で考えたほうが適切でしょう。最新年度同士の数字で比較するとメルカリの1年間の取扱高8816億円に対して、ゲオの売上高は3348億円です。

そう考えるとゲオは店舗販売ではリユース市場のトップですが、メルカリはオンラインのリユース市場でゲオの2.6倍の存在感を持っていることになります。メルカリにはゲオにない強みがふたつあって、高く売れることと自宅ですぐ売れることです。

ゲオのように実店舗があって従業員を雇えばそれなりに利幅を確保する必要があります。メルカリなら直取引なので、当然、メルカリで売った方が高く売れるわけです。しかもスマホで撮影したものが比較的早く売れるので、わざわざGEOや2nd STREETまで持ち込んで時間をかけて査定してもらう必要もない。確かにメルカリは手軽です。

世の中には「高く売れなくてもいい層」がいる

ただここから感じることですが、高く売ろうと思わない人が世の中には結構いて、そのような消費者層にとってはGEOや2nd STREETの方が結構手軽なのです。私も断捨離のときにはそのような考え方になるのでよくわかるのですが、とにかくもったいないというか作った人に申し訳ないので捨てるわけにはいかない。ブックオフに本を売りに行くときも考え方は同じです。

ですから大きな袋一杯の洋服の買取価格がたとえ数百円にしかならなくても、買い取ってもらったほうが気分がいい。それにメルカリだと取引相手とのダイレクトなやりとりで多少のストレスも感じますが、GEOや2nd STREETにはそれがないわけです。

そう考えるとゲオが成長企業だというのは非常によく理解できます。世の中にはリユースに対するニーズが増えていて、GEOや2nd STREETはその中の「店舗で売り買いしたい」というニーズにマッチしたトップ企業なのです。