バブル世代からZ世代まで、それぞれの特徴
こうした世代による違いはなぜ生まれるのでしょうか。「マーケティングの世界では、デジタルに何歳ごろ初めて接したかで、人間関係、コミュニケーションの取り方や消費の価値観などがかなり変わってくるとされています」と牛窪さん。
現在28~34歳のゆとり世代と18~27歳のZ世代(いずれも牛窪さんの会社の定義)は、物心ついたころからネット環境があった、いわゆるデジタルネイティブ。上の世代と違って、相手の邪魔をしないようにと電話よりメールやLINEを使い、働き方にも効率を求める傾向が強いのだとか。
もうひとつ、世代間ギャップが生まれる理由として牛窪さんが挙げたのは、多感な青春時代に置かれた、景気経済や社会環境の違いでした。
「草食系世代以降は、物心がついてからずっと経済不振が続くなかで「自己責任」を突きつけられ、リスクを避ける姿勢が共通している。ただ、ゆとり世代は『コスパ(費用対効果)』を重視し、中長期的に見てトライするだけの価値があれば、やってみようと考えやすい。またZ世代は『二刀流』なので、最初からリスクを前提に、プランAだけでなくプランBも用意して備える賢さを併せ持つ人たちです。転職や副業への志向が強いのもその表れでしょう」
では、他の世代はどうなのか。この点を明らかにするため、働き方に対する他の世代の考え方についても解説がありました。現在52~63歳のバブル世代は、バブル期に汗水流して働き、出世を競っていた「24時間戦えますか世代」。一方、現在46~51歳の団塊ジュニア世代は、初めて学校教育で男女平等教育を受け、派遣という働き方も身近になった世代。20代のころ、仕事は定時に終わらせてアフター5は自分磨きに勤しむなど、自分らしいライフ&ワークスタイルを求めていた人も多いといいます。
現在35~45歳のロスジェネ~草食系世代には、就職段階から、職場で人間関係や等身大の自分を重視する傾向が。同僚とも「競うのではなくゆるくつながりたい」と考え、ナンバーワンよりオンリーワンを目指すことをよしとする考え方が根底にあるようです。
そして前述のゆとり世代は、働き方に効率を求める一方で、社会貢献への意欲が高く、モノよりコミュニケーションを、目立つことよりもKY(空気を読む)を重視するという特徴があるそう。この傾向はZ世代になるとさらに強まり、「就活では企業名よりSDGs重視」「一人よりも共創」「リスクに備えて自分をアップデート」といった行動が見られるそうです。