写真=iStock.com/kazuma seki
いま、多くの企業が女性リーダーを増やすためにさまざまな努力をしていますが、残念ながら、女性管理職は思うように増えていません。実は、この矛盾の鍵を握っているのは他ならぬ「女性部下を持つ上司たち」なのです。
プレジデント総合研究所のプロジェクト第一弾「女性活躍関連研修」として当社が開発した「女性部下の成長を加速させ、意識を向上させる 次世代インクルーシブリーダー養成プログラム」。まずは当社で6~7月にテスト版を導入し、管理職・役職者が実際に体験してみました。今回はその模様をリポートとしてお送りします。

御社の管理職に「女性躍進を進める真の理由」を聞いたらどんな答えが返ってくるでしょうか?

「男女平等が叫ばれる時代だから」「みんなやってるから」「投資家や海外からの圧力があるから」。もしこんな答えばかりが帰ってくるなら、御社の先行きは非常に厳しいと思います。

今多くの企業はダイバーシティの旗を掲げ、女性リーダーを増やす努力をしています。しかし、女性管理職は思うように増えません。この矛盾の鍵を握っているのは他ならぬ「女性部下を持つ上司たち」なのです。

昭和の働き方から脱却しきれない上司がいる限り女性管理職は増えない

確かにここ10年ほどで、女性がライフイベントで退職する確率は劇的に減少しました。そして、企業が準備した「女性に優しい」両立制度である法定以上の長期間の育休や時短制度、そして復帰後に用意されたマミートラックと呼ばれる負担の軽い部署。育児経験も乏しく、昭和の働き方から脱却しきれない上司が、「両立は大変」「管理職コースに乗せるのはかわいそう」という思い込みでこのコースを女性たちに推奨し、実際多くの女性たちがこの道を選び続ける限り、女性社員比率は増えても、女性管理職は絶対に増えません。

当社の管理職・役職者も体験! 次世代インクルーシブリーダー養成講座

そこでプレジデント総合研究所が開発したのが、次世代の女性リーダーを育成する上司のための「次世代インクルーシブリーダー養成講座」です。冒頭の「ダイバーシティが必要な理由」をテーマにした早稲田大学大学院の入山章栄先生の動画を皮切りに、当社が独自に開発したリーダーとしての強み弱みを診断できる、CQファインダー(Communication Quotient Finder)、また前述のような上司の思い込みをあぶりだすアンコンシャス・バイアス テスト、そしてケーススタディ、最後に部下の育成プランを作成、面談するという盛りだくさんの内容になっております。

まずは当社で2022年6~7月にテスト版を導入。リアル、オンライン、ハイブリッドの3パターンに分けて管理職・役職者が受講(写真①)(写真②)しました。さらに、「ダイバーシティ担当者の会(現・人事・ダイバーシティの会)」でもオンラインとリアルで3回に分けて体験会を開催しました(写真③)(写真④)。実際に体験した当社管理職と人事・ダイバーシティ担当者の方の声を聞いて、さらにリアルな研修になるようブラッシュアップしております。

2022年6月30日に行われた研修テスト版の社内体験会
2022年6月30日に行われた研修テスト版の社内体験会(写真①)
2022年6月30日に行われた研修テスト版の社内体験会
2022年6月30日に行われた研修テスト版の社内体験会(写真②)
2022年7月15日、ダイバーシティ担当者の会会員が参加して当社で行われた研修テスト版体験会
2022年7月15日、ダイバーシティ担当者の会会員が参加して当社で行われた研修テスト版体験会(写真③)
2022年7月15日、ダイバーシティ担当者の会会員が参加して当社で行われた研修テスト版体験会
2022年7月15日、ダイバーシティ担当者の会会員が参加して当社で行われた研修テスト版体験会(写真④)

プレジデントウーマン編集部による調査で、女性管理職の多くは男性管理職や一般社員よりプライベートも仕事も充実しているという結果が出ています。しかし、「管理職は滅私奉公させられる」「育児介護と両立できない」という非管理職女性のバイアスと、その不安や思い込みを取り除けない上司のバイアスという悪循環。これこそが今、日本で女性管理職が増えない最大の原因の一つなのです。

上司が変われば部下も確実に変わります。来年にかけて、20代女性部下向けの研修も開発中です。ぜひ会社の未来のために、導入をご検討ください。

プレジデント総合研究所