女性管理職6%から20%をめざして
【木下】まず、御社の成り立ちについてお聞かせいただけますか。
【東】「コカ・コーラ」の会社というと外資系と思われるかもしれませんが、私たちは日本の製造会社です。コカ・コーラシステムは原液の供給や製品の企画開発などを行う日本コカ・コーラ社と、製造・物流・販売・回収・リサイクルを行うボトラー社で構成されていて、当社は国内12のボトラー社を統合して2017年に設立されました。実は新しい会社で、現在は変革や成長に向けた取り組みのまっただ中にあります。
【木下】その中で、ダイバーシティ推進にも積極的に取り組まれているそうですね。本格的にスタートした経緯を教えてください。
【東】当社にとって、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進は重要な経営戦略のひとつです。設立して間もなくD&I中長期ビジョンを発表し、2021年には、設定していた女性管理職比率を前倒しで達成したため、新たに「2025年までに10%、2030年までに女性管理職比率20%」に引き上げるという目標を打ち出しました。女性活躍推進に関しては全社的な取り組みを始めたばかりですが、女性管理職比率は約6%まで上昇しています。
【木下】ご自身は人財開発部の部長としてどんなことに取り組まれていますか?
【東】人財戦略の中で私が担当している領域は、採用、能力開発、育成の3つです。採用では、飲料業界の製造現場では女性は活躍しにくいというイメージが強いのですが、そこを打破すべく、会社説明会や採用ホームページで、実際に女性社員がどう活躍しているかをPRし続けています。結果として、大学新卒採用の男女比率は目標の50:50を3年連続で達成できています。
【木下】能力開発や育成についてはいかがでしょう。研修なども行っているのでしょうか。
【東】2020年に女性リーダーの育成戦略を立てました。女性社員を部長層、課長層、管理職手前のリーダー層の3階層に分けて課題を調査し、各課題に対して選抜制の育成プログラムを導入しています。まず部長層ですが、当社はまだ女性部長が10人に満たない状況です。そのため、2021年1月から、役員との1対1のセッションを通してキャリア支援や参加者同士のネットワーク構築を促す「スポンサーシッププログラム」を実施しています。