強さの秘密は「EV用バッテリー」

最大の強みは、BYD(の親会社が)が有力なバッテリーメーカーであることだ。

【図表】EV用バッテリー世界シェア(2022年)1~11月

世界のEV用バッテリーメーカーを見てみると、2022年1~11月の販売シェアで中国のCATLがダントツのトップ。上半期まで3位だったBYDは、最近急速にシェアを伸ばし韓国LGエナジーを抜いて2位に上がっている。このペースで行けば2023年には1位CATL、2位BYD、3位LGエナジーというランキングになるだろう。

BYD製EVの最大の特徴は、「e6」の時から一貫してリン酸鉄リチウムイオン(LFP)系の電池を使っていること。

LFP電池は安価で安全性が高いのが特長だが、以前は単位重量当たりの蓄電容量が小さいという弱点があり、他のEVメーカーは積極的に採用しなかった。

しかし、最近の急速な技術の進歩により、3元系(NMC)電池と変わらない蓄電容量を実現できるようになった。

特に注目されているのが、新設計の「ブレードバッテリー」。薄く長い形状によりパックへの装填密度を高くできる。そのため、単位容積当たりの蓄電容量が大幅にアップし、BYD製EVの性能向上に大きく貢献している。

BYD「ATTO3」
写真提供=BYD
BYD「ATTO3」