「BYDがトップに立つ」

「ATTO3」のデザインは、BYDのチーフデザイナーであるヴォルフガング・エッガー(Wolfgang Egger)氏率いるチームが担当した。

筆者は2018年の北京モーターショーでエッガー氏と話したことがある。

彼は「自動車産業の将来はEV100%で決まり」「BYDがトップに立つ」「これからは車のデザインも中国がリードし世界がまねるようになる」、という話をしてくれたのだが、彼の発言通りになりつつある。

BYDチーフデザイナーエッガー氏(2018年北京モーターショーにて)
筆者提供
BYDチーフデザイナーエッガー氏(2018年北京モーターショーにて)

筆者がBYDという会社を最初に意識したのは2007年ごろのことだ。当時BYDはアメリカのテスラ、日本の三菱、日産などと共にEV開発の先陣争いでしのぎを削っていた。

この先陣争いでトップを切ったのはテスラで、2008年に華々しく「ロードスター」をデビューさせた。

BYDも同じ年に電動車を出したが、それはBEVではなく世界初の量産型プラグインハイブリッド車(PHV)「F3DM」であった。

BYDが初のBEVである「e6」を世に出したのは翌2009年のことである。

BYD「e6」
写真提供=BYD
BYD「e6」