ブラック労働に絶望し保育士は完全に引退
それで、もう無理だと退職しました。
辞めるとなったらアッサリです。会社は「はい、やめるならサヨナラ。いつまでに荷物をとりにきてね」と、そんな感じでした。なーんか、運動部みたいですよね。新入生の勧誘では優しいけど、いざ入部したら鬼のように厳しくて殴られる、みたいな。
この体験で嫌になり、他社の話を聞いても似たり寄ったりでブラック保育園ばかり増えている。だから、保育士は引退しました。戻ることはないです。
子どもが生まれるので、弁当配達でしのいでいるうち、友人から倉庫の仕事を紹介されて、今のような生活になりました。上司はとても良い人で、何かあっても部下の私を守ってくれる。そういう人間関係の良さもあって辞められません。保育士は完全に引退しました。
1975年茨城県生まれ。神戸大法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年よりフリーのジャーナリストに。13年「『子供を産ませない社会』の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ 保育格差』など。